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社会人大学院生になったのである

私は保育園を運営している。

 

「経営じゃないの?」と時々聞かれるが、①100%公費(補助金)を頂いて保育園を動かしていること、②保育園児は措置される(市町村が入所を決める)こと、以上2点から、私は敢えて『運営』と言っている。

ちなみに、障がいや介護分野では利用者負担金を貰っているので、利用者を多く獲得するという事業目標がある以上、経営責任・経営戦略の側面が強く、ゆえに「経営」と呼ぶのが相応しいと思っている。

 

さて、保育園を運営していると、様々な壁にぶち当たる。

 

行政・保護者支援・子育て支援・クレーム・地域との関わり・児童虐待・家庭内暴力・子育て支援・発達障害・気になる子……

加えて職員の処遇改善や自己評価、法人運営もしているので、理事会・評議員・現況報告等、園舎改築やら設計士との打ち合わせや行政折衝など、波のように押し寄せること限りなし。

 

会計検査院に1年おきに2回当たったこともある。

嗚呼、あれは辛かった。

 

これまで法律しか知らなかった私が、親の後を継いで保育の世界に踏み入れたのが数年前。

 

「嫌いな物は、子ども・地震・犬!」と公言していた私が、まさか大嫌いな子どものいる保育現場に入るとは、架空請求詐欺エッセイを書いていた時分には、想像もしていなかったことである。

 

親に頼まれ、保育現場に入り、親の手ほどきを受けながら、かつ、夜間の保育学校に通って保育園と幼稚園実習等を受けつつ、保育園運営のノウハウを自ら確立していく。

 

親が急逝した後は、たった一人で運営を行っていく他無かった。

思考錯誤の日々。

 

法律を学んでいたお陰で、行政文書を作成するのにはさほど問題は無かった。

しかし、指導監査の際には、現場が分からない監査班たちの無茶な要求・質問に対し、的確に答えられない自らの説明力不足に、何度も歯がゆい思いを抱いた。

 

法学部を出て、司法試験をかじっているお陰で、法律分野はお手の物だが、児童分野はさっぱり、お手上げである。

 

どうやったら説明できるのか。

説明力を補う自己啓発の本を読んだ。既知事項ばかりであった。

 

どうやったら説明できるのか。

根本的に児童分野を学び直す必要があった。

 

夜間の保育学校では、一気呵成に終えた感触であり、保育についての学びは私の中で全く残って無かった。(実習やスクーリングはすこぶる楽しかったが)

学びの実感が無かったのである。

 

かくして私は、保育所運営での説明力をつけるために、児童学を専攻する社会人大学院生になるに至ったのである。

児童学を専攻するに決意する頃には、あれほど死ぬほど大嫌いで近寄って欲しくないと思っていた子どもたち(保育園児)が、可愛くて仕方なくなっていた。
子どもたちの発達について、その心理についても学びたいと思うようになっていた。

人とは変わるものである。

 

最終更新日 2018年6月10日

 

 

 

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