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サンタクロースからの回答状

《サンタクロースへの質問》

サンタクロースって本当にいるんですか? 
昨日友達が、「お前、サンタが本当にいるって信じてるなんて、バカだ。
なんでサンタがお前の好きなゲームソフトの名前知ってるんだ。
お父さんやお母さんがサンタの振りしてプレゼントを枕元に置いているのを知らないのか?」と言いました。
父さんに聞いたら、「冬のボーナスがカットになったからクリスマスプレゼントは無しだ」と言われました。

お父さんがサンタさんなのでしょうか。

僕は疑問です。
サンタさんって本当にいるんですか?

(質問者:ある子ども10歳)


《サンタクロースからの回答》

答えは簡単だ、「サンタはいる」。

この答えに何が不満だ? 

いるものはいる。見えないが、確かにいる、それがサンタだ。

サンタを見たことが無いからって、いないということにならない。
見えないだけという可能性だってある。

別の見方をしよう。

いるかいないか、実体の話だ。
サンタには実体がある。
グリーンランドには、グリーンランド国際サンタクロース協会が認定した公認サンタクロースがいる。正真正銘のサンタクロースの資格を持つ者だ。
これはサンタの実体に他なら無い。

ここで重要な事実を言おう。

「赤鼻のトナカイのそりを引いたサンタクロースが空を飛び、煙突から家に入り、子どもたちにプレゼントを配る」という話は、昔の話であって、今のことではない

君たちも知っているだろう。
物を配達する時には、今はソリは使わない、自動車などの乗り物を使う。
空を飛ぶのには飛行機を使う。
物を届ける時は、煙突から不法侵入しないで、ポストに入れるのが正しい方法だ。

「僕たちの好きな物をプレゼントしてくれるから、サンタは僕たちのことをよく知っている父さんと母さんだ」という意見は、半分正解だが、半分は不正解だ。

君たちの父さんと母さんには、君たちのプレゼントは何がいいのかを調べ、手に入れ、君たちに配らねばならない重要な役目がある。
なぜその役目を引き受けているかって? 
君たちの父さんと母さんは、サンタの密使なのだ。
サンタの指示を受けて、彼らは動いている。

どうしてサンタがその指示を一個人の民間人に指示を出すかって? 
どうやって指示を出すのか? 

答えは簡単だ、サンタはクリスマスの日の夜、親たちの夢枕に立ち、指示を出すのだ。

指示の内容は、こうだ。

「君たち親は、子どもを立派な社会人に育て上げる義務がある。明朝から一年間、そして次のクリスマスイブの朝まで、子どもが『クリスマスプレゼント』をもらうに相応しい子に育っているか、しっかりと見守ること。親の役目は、夢の中で、サンタに自分の子どもの成長を報告することにある」

『クリスマスプレゼント』をもらうことのできる子どもは、以下の条件をクリアしなければならない。

 嘘をつかない
 小さい子をいじめない
 欲張らない
 盗みをしない
 怠けない
 物を大切にする
 約束を守る・・・

しかしだな、最近の親たちは、眠りが浅く、夢の中でサンタと出会う前に起きてしまう。

サンタは親たちと約束したいのだ。

親たちの言葉を聞きたい。

『僕らの子どもたちは、クリスマスプレゼントをもらえるくらいに成長した』

親からの確信ある答えを求めている。
しかし、近年は、親とサンタとの夢の中の交流が途絶えている。

サンタが子どもにプレゼントを買って良いというゴーサインを出す前に、既に前もってプレゼントを用意する親が増えてしまった。

サンタは心配している。子どもたちの心が、親たちの心が、サンタから離れていることを。

サンタはプレゼントを全世界の子どもたちに贈りたい。

誰かの力を借りて、子どもたちのもとに届けて、子どもたちの喜ぶ笑顔が見たいのだ。


――子どもたちは、世界中にいる。


どんな子どもたちがいるか、想像したことはあるかい?

世の中には、親のない子だって沢山いる。
今日が何日かが分からない子だって、もらったプレゼントを見ても何か分からない、障害をもった子もいる。
ずっと寝たきりの子どももいる。学校に行けなくて苦しんでいる子どももいる。
貧困と飢え、難民キャンプ、ジャングル、戦場、ゴミの山、マンホールの中・・・色々な所に住んでいる子どもがいる。

クリスマスの無い国だってある。
宗教も、暦だって、国によっては異なる。


子どもたちは大勢いる。
世界の子どもたちにプレゼントを届けることは、困難だが、必要なことなんだ。


プレゼントの本質は、「教育」なのだ。
教育を受けた子どもたちが立派に成長し、平和を愛し、違いを認め、共存共生する社会を作る一員となるために、教育というプレゼントは欠かせない。


私は便宜上、『サンタ』って呼んでいるが、その存在を別の呼び方をする場合だってある。


別の見方をしよう。


『サンタ』とは、 “システム” だと言う者もいる。

全世界の子どもたちに教育というプレゼントを行き渡らせるシステムである、と。


親がサンタシステムを担う一員であると自ら自覚し、子を見守り、その成長を助長させる役目を果たすことを私は強く願っている。

クリスマスプレゼントは、その最初のきっかけなのだ。



――では最初の質問に戻ろう。


サンタがいるか、いないかって?


愚問だね、私がそのサンタなのだから。


(サンタ・年齢不詳)

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