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エコという名のエゴ

 


 

 体の芯を刺すような寒さの中、季節感のある色とりどりの煌びやかな電飾に彩られる街角を、私はいささか懐疑的な想いで闊歩する。

 イルミネーションと銘打ったこの過剰なまでに光で着飾ったツリー群の中を分け入ってみても、そこにエコ度はイチミクロンも垣間見ることは出来ない。

 イルミネーションを単なる点灯された電球の集合体という、感興を催さない代物に価値観を変遷させねば、この悪しき習慣は絶たれないように思われる。

   

 人工的な光より、自然の光を。

   

 胸元に捧げ祈りを込めた私の指先までも、白々としたコンビニの灯りは煌々と照らし続ける。

 果たしてこの国には、本気で地球温暖化に取り組む意識があるのか。
 私は懐疑的にならざるを得ない。

 近年より一層の加速を極めるイルミネーションの華美さの一方で声高にエコを叫ぶ姿勢に、それを本質的に推進するような社会の仕組みを作ろうという国の姿勢を、一片も感じることが出来ない。

 さては自動車大国ニッポン。
 「地球温暖化対策というからには、マイカー所有規制も致し方ない」
 と懸念していたのだが、蓋を開けてみれば、自動車生産企業により一層儲けさせるためのエコカー購入の補助まで飛び出す地球温暖化防止を目くらますアンビリバボーな方針に、私は食べかけていた握り飯を取り落としてしまった。

 エコという名のエゴがどうもきな臭く漂ってくる。

 若干2例を挙げるに留まったが、エコの陰に見え隠れするエゴの姿はまだまだ沢山ある。
 「ウォーリーを探せ」並みに難しい探索ではないが、見つけた時の達成感はさほど無く、ただただ、虚しさとやるせなさ、いささかの憤怒を催させるばかりである。

 こんなわたくしめのエコ活動といえば、トータルテンボスでいうところの「ハンパネエ」やり口で、その堂々たる姿勢たるや、友人を若干引かせるほどである。

 ●石けんシャンプー派。お風呂は無添加の石けんで全身を洗浄。「ああ良い匂い」と薫り高き合成シャンプーに依存していた頃は遠い昔。

 ●塩歯磨き派。合成歯磨き剤を使用していた頃は頻発してた口内炎からもようやく解放された。

 ●化粧落としはオリーブオイル。石けん二度洗いですっきり。

 ●整髪はオリーブオイル。髪に動きをつけるときは蜂蜜をワックス代わりにする。地べたに寝転ばない限り蟻も寄り付かないので大丈夫。

 ●体から漂う香りはもっぱらアロマオイル。
 いつだったか、気まぐれでイランイランをつけたときに、そのムスクのような立ち込める甘い強烈な芳香に、「ジャージ着た花魁か!」と突っ込まれたことがある。香りの選定には要注意。

 ●掃除は石けん・重曹・酢のナチュラルトリオ。汚れが落ちているかどうかよりも、「合成洗剤使うよりはマシ!」とエゴイスティックになりがちなのでこれも要注意。

 ●移動は徒歩、自転車、交通公共機関。ガソリン排出を抑える努力はここから始まる。

 ●マイバック、マイ水筒、その他エコに関することは網羅。

 付け足すならば、フェアトレード商品や地産地消などの社会システムを意識すれば、なかなかエコ対策では良い線を行っているのではないか。

   

 ――そんなことを考えながら、電灯の落とされた部屋で、ほの暗い篝火にも似た小さな行燈のような読書灯を頼りに、尾崎紅葉「多情多恨」を読む私の手に、くすんだ橙色の灯りがぼたりと落ちる。

 
大自然こそ何物にも替え難い。身体中から全てを剥ぎ取り何もかも脱ぎ捨ててヌーディスト気分で「ヒヤッホーイ!」と大自然に飛び込みたい。


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