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偉いお役人たち、こんな未来


役人である主任 「と部下との会話。

部下 「主任! 大変です! 今度の国会で、我が部署に支給される国家予算が削減されるそうです!」
主任 「なんだと! それは大変だ!」
部下 「どうしましょう。もう公費でキャバクラなんて行けませんね」
主任 「 そうだな」
部下 「もう公費で接待ゴルフできませんね」
主任 「 確かに」
部下 「公共事業の談合費用も捻出できませんよ」
主任 「 あ、そうだ。いいことを思いついたぞ」
部下 「何です?」
主任 「我が部署の年間予算を水増し請求して、我が部署に対する国家予算の削減を防ごう」
部下 「さすが主任 !」
主任 「 何が何でも、お金を確保するぞ!」
部下 「はい!」

また、未来。

部下 「主任 「! 何とか予算を確保できたそうです!」
主任 「 そうか。良かった」
部下 「でも、何で主任 「とか、偉い役職の人たちばかりが国家予算から出たお金を自由に使えるんですか? 僕たち部下には全然お金を自由に使わせないのに」
主任 「ハハハ。当たり前じゃないか」
部下 「僕たちがメモ用紙1枚使うのも渋ったり、事務用品を買っても公費で落ちなかったり、とてもケチってるのに。不公平ですよ」
主任 「ハングリーだよ、ハングリー。俺もお前くらいのときは、上司が自由にお金を使える様を指をくわえて見てたものだ」
部下 「はぁ」
主任 「俺たち上司ができるだけ豪奢にお金を使うのを見せ付けることで、部下が羨ましがる。羨ましくなった部下はハングリー精神で頑張って昇進を目指して努力する。その部下が昇進したら、上司のお金の使いっぷりを思い出して、更にゴージャスにお金を使う。その部下は、その上司を見て、羨ましがる……。これが延々と時代を経て繰り返されるんだ。《輪廻》だな」
部下 「それにしても、どうしてそんなにお金を使うのに躊躇しないんですか? もったいなくはないですか?」
主任 「 所詮、国民の税金なのだから気兼ね無く使えるんだ。自分の金だったら、財布の紐はキツイが、他人の金ほど遠慮なく使えるぞ」
部下 「他人の金ほど使いやすい……ですね」
主任 「何よりいいのは、国のお金は、領収書が要らないから使途不明でも責任を取らなくていいことだな。じゃんじゃん使って、お咎めなし。無駄金使い、として週刊誌にすっぱ抜きされない限りは、国民にはバレない。批判を受けても、ノーコメントで通せば、何とか切り抜けられる。そして、退職まで文句を言われない程度にテキトーに仕事をすれば、後は万々歳だ。これはもう、病み付きだな」
部下 「なるほど」
主任 「 気持ちいいぞ。銀座のクラブで高額紙幣を投げ散らす『紙幣吹雪』をしたときは、自分が《役人》で良かったなぁ、って思ったものだ」
部下 「なるほど。じゃあ、僕が努力して昇進したら、お金を自由に使えるようになるんですね!」
主任 「 ああ、頑張れよ」
部下 「はい! 主任、最高のアドバイスをありがとうございました!」
主任 「 うふふ」

未来、また未来。

部下 「大変です! 主任 ! 構造改革の煽りを受けて、公的機関である我が部署が廃止されることになりました! 倒産ですよ!」
主任 「 な、なんだと?! せめて退職金は確保できるのか?」
部下 「それは分かりません。どうしましょうか。《天下りの廃止》が法制化されたために、僕たちの次の就職先もないようです」
主任 「 そんな……。天下りができないのなら、何のために《役人》になったんだか」
部下 「ですよね。僕は小さい頃から、両親から叱咤激励されて、国家公務員試験を一生懸命勉強して、見事合格し、《役人》になったんです。どれほど大変だったことか」
主任 「 分かる、分かる。俺もそうだ」
部下 「景気に左右されることなく国家予算から支給されるたっぷりの給与や、関連企業を次から次へと渡り歩き、給与や退職金をほぼ一生貰い続けられる《天下り》という至福のシステムがあったからこそ、僕は《役人》になったんですよ」
主任 「 ホントだな。もう自由に使えるお金がなくなるなんて」
部下 「主任のように『紙幣吹雪』を経験する前に、辞めなければならないなんて、哀しいです」
主任 「 ガッカリするな。自分のお金で『紙幣吹雪』すりゃいいじゃないか」
部下 「まさか! それは他人の金だからこそ、心置きなくできたことなんです。自分のお金なら、家計簿片手にチビチビ使いますよ」
主任 「 確かにな」
部下 「主任 、これからどうしましょう」
主任 「 辞令が出るまで、対策を練ろう」
部下 「はい」

さらに、未来。

部下 「まさか、主任と同じ会社に入社できるなんて、思いませんでしたね」
主任 「 確かにな。部署が廃止されたときはどうなるかと思ったが、運良く民間企業に再就職できたんだから、ラッキーだな」
部下 「ええ。民間企業で働くのは初めてなので、どうなることかと思いましたが、とにかく、路頭に迷うことがなくて、良かったです」
主任 「 ああ」
部下 「それにしても、民間企業というのは、こんなにも経費にはケチだと思いませんでしたね。ちゃんと仕事をしないと口うるさく文句を言われるし。これじゃ下っ端の役人だったときと余り変わらないじゃないですか」
主任 「 《経費節減》が口癖の世界に入るなんて、《役人》だったときには、想像もしなかった世界だ。退職までの日数をカウントダウンしながら、テキトーに仕事をしていたあの頃が懐かしい。郷愁の想いだ」
部下 「はぁぁ……」
主任 「 はぁぁ……」

そして、未来。

部下 「まさか、主任 と同じ刑務所の監房に入るなんて、思いませんでしたね」
主任 「 確かにな。《役人》時代が忘れられなくて、研修費用に当てられた会社のお金をお前と一緒にゴージャス使ったことで、こうやって横領の罪で逮捕されるなんて、思わなかったな」
部下 「主任がいけないんですよ。『お金を使っても、会社の人にばれなければ大丈夫』とか言うから。すぐに帳簿検査でばれちゃったじゃないですか」
主任 「 甘かりし頃の癖はすぐには直らない、か。お金を使っても責任に問われないあの頃が本当に良かったな。伝統のように繰り返し続けた国のお金の無駄遣いは、世間的にはこんなにもイケナイことだなんて、知らなかったよ」
部下 「あぁぁ……はぁ。お先真っ暗ですね」
主任 「 あぁぁ……ふぅ。何でこんなことになったんだろう」

   

◆ 終わり ◆

   

・・・あとがき・・・

 最後までお読み下さり、ありがとうございます。
 心より感謝を申し上げます。

 なお、文章に稚拙な部分が多く見受けられるとは思いますが、筆者の文章力の未熟さゆえでございますので、ご容赦下さいまし。

 ご感想などございましたら、コメント欄にお寄せください。
 心よりお待ち申し上げております。

 この度はお読みくださり、誠にありがとうございました。

琉球の宮


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