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戦争、こんな未来

 


 

某国の大統領と側近 との会話。

側近 「大統領! ついに我が国と同盟を結んでいるA国が軍隊の派兵を決めました!」
大統領「なるほど、ついにか。遅かったな」
側近 「A国はほとんど我々シモベですからね。我々が《派兵しろ》と言ったら、喜んで尻尾を振って派兵の方向で話を進めていましたし。国民の大多数の反対を振り切って決断したなんて、普通ならどう考えても独裁者ですよね。ハハ」
大統領「世論の大多数が反対しても、国の首脳部が賛成すれば、それでいいんだ。国というものは、国民ではなく、一部の権力者が動かすものだから」

側近 「さすが大統領! 頭いいですね!」
大統領 「うふふ」

数週間後。

側近 「大統領! 大変です! 同盟のA国の軍隊が攻撃に遭っています! 多くの死傷者が出ている模様です!」
大統領 「それは大変だ! 早くお悔やみの花束届けないと」
側近 「それどころではありません! 今からテレビ会見して《イカンのイ》を発表しないといけません。(後ろ振り向き)メイク係! 目薬と暗めのファンデーション用意して!」

大統領 「よし。メイクだ」
側近 「頬がこけたようにメイクすると、悲壮感があって、国民受けがいいんです。ネクタイとワイシャツを少しグチャグチャにして、切羽詰った、取り乱した雰囲気を出しましょう」

大統領 「分かった。それにしても、A国はどこの攻撃を受けたのだ?」
側近 「我が国の軍隊が間違えて攻撃したようです。誤爆ですよ」

大統領 「まぁ。戦争に誤爆はつきものだ。で、死傷者は何人だ? わが国の武器の殺傷力の凄さを証明しちゃったんじゃないか?」
側近 「そりゃもう。言うのを憚るくらい凄い死傷者です。A国はもう、てんやわんやですよ」

大統領 「少し花束を奮発しておこう。経費で落とせるかな?」
側近 「もちろん国家予算ですよ。ご安心を。―――さぁ、テレビ会見の時間が迫っています。急いでください」

大統領 「メイクは完璧、と。今からまばたきをやめて、目の充血させるために頑張ろうか。さぁ、真に迫る演技をするぞ……」

さらに数週間後。

側近 「大統領! ついに我が国の軍隊の死傷者が1万人を超えました! A国の軍隊の死傷者もそれに近い莫大な人数になっています! どうしましょう!」
大統領 「もっと戦地に軍隊を送らないといけないな。我が国の軍隊の隊員補充はどうなっているんだ?」
側近 「かなり厳しいです。それで、《隊員になると抽選で3億円プレゼント》ということにして、隊員を募ってます。我が国は何とかこれでかなりの隊員の数を稼げそうですよ」

大統領 「A国はどうなんだ? もう少し軍隊を出せそうか?」
側近 「大丈夫です。《もっと軍隊を出せ》って一喝したら、憲法を改正して、徴兵制を始めたようです。文句を言う情報機関を潰すために、情報統制も始めているようですよ。そりゃもう必死です」

大統領 「じゃあ、かき集めた人員を総動員して、さっさと戦地に派遣しよう。とことん兵力を注ぎ込めば、何とかアイツラも引き下がるんじゃないのか?」
側近 「分かりました!」

もっとさらに数週間後。

側近 「大統領! もうダメです! 軍隊も武器も資金も底をつきました! どうしましょう! A国も同じ状態です! もう戦えません!」
大統領 「そんなこと言われても……。そういうことは想定外だし」
側近 「戦おうにも、人もモノも金もないんです。戦えないんです。《想定外》とか言わないでくださいよ。どうすればいいんですか?」

大統領 「どうすればって言われても、知らないよ」
側近 「休戦するのか、終戦するのか、戦争を続けるのか、判断してください。これ以上の戦争による損失は、我が国の赤字の経済事情では補填できません。私は終戦したほうがいいと思います」

大統領 「終戦? ボクは戦争を始めるのは得意だけど、戦争を終わらせる方法は知らないんだ。誰か知らないかな?」
側近 「私だって知りませんよ。今まで戦争ばかりしてきた我が国だから、一番、大統領がそういうことには詳しいと思っていたんですけど……」

大統領 「我が国って戦争の回数は多いけど、ぶっちゃけ、負けたことないから、相手が降伏するまで戦争続けてるんだよね」
側近 「じゃあ、どうしましょう。アイツラが降伏する前に、我が国やA国が赤字で沈没してしまいますよ。こうなったら、我々が降伏しましょう。それしか手はありません」

大統領 「降伏って何をすればいいんだ? 今まで人に謝った経験がないから、謝る方法が分からないんだけど。《あ、わりぃ。戦争、終わらせよう》って言えばいいのかな?」
側近 「そうですね。そうしましょう」

大統領 「で、誰に言えばいいんだ? ボクたちがアイツラの国を攻めて首都を陥落させたから、アイツラには代表者がいないじゃないか」
側近 「そういうときのためにテレビがあるんですよ。テレビで《負けました。許してチョンマゲ》って言えばいいんです。その瞬間から終戦ですよ。たぶん」

大統領 「それなら、《悲しいとき~ 赤字財政で降伏しなきゃいけないとき~》っていうのは、どうだ?」
側近 「さすが、大統領! 面白すぎ! 今からネタ作りしないと」

大統領 「じゃあ、ボクはその間にプレッツェルでも食べてよう」

   

◆ 終わり ◆

   

・・・あとがき・・・

 最後までお読み下さり、ありがとうございます。
 心より感謝を申し上げます。

 なお、文章に稚拙な部分が多く見受けられるとは思いますが、筆者の文章力の未熟さゆえでございますので、ご容赦下さいまし。

 ご感想などございましたら、コメント欄にお寄せください。
 心よりお待ち申し上げております。

 この度はお読みくださり、誠にありがとうございました。

琉球の宮


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